大坪命樹

こんにちは、大坪命樹と申します。

筆名の由来は、一枚の感銘を受けた絵画に基づいています。私が作家活動を実際的に始めたころ、東京では20世紀最後の大公開ということで、バーンズコレクション展が、国立西洋美術館で催されていました。その展覧会に感銘を受けたか受けなかったか、美術かぶれになった私は、休日さえあれば東京の美術展覧会に赴きました。実際、不断にストレスでこころの傷を負っていた私は、美術の多くに癒されていました。

そんなときに出逢ったのが、ルネ・マグリットの絵画でした。その静謐な絵画空間と不思議な画材構成とから感受される思索的澄瑩美は、私のこころの中に強烈に印象付けられました。そして、その中でも最も興味深かったものを選んで、筆名の着想としました。

その絵画は、著作権の保護期間が70年に延びたのでここでは掲載しませんが、「絶対の探求」という題名のシュールレアリスム絵画です。大きな一本の樹木が、枝条を細やかに伸ばして、全体として一枚の葉っぱの形になっている絵で、地平線には夕日が沈みつつあります。それはそのような絵画空間なのでなんともいえませんが、葉がないところをみると常識的には秋の風景であるから、なおさら季節や一日の暮れかかる時間がそのまま人生の時間に投影されたようになり、それら枝の伸びようが、あらゆる可能性を試したその結果として絶対形の一葉を為したというふうに、私には思えました。そして、自分の人生もそうありたいと願ったのです。

そして、姓名判断の画数計算を駆使して、「迷い就る」という意味の「迷就」という名前を付けました。しかし、あまり友達受けする名前ではなくて、自分自身今一泥臭い名前のような気がしていたところ、画数計算の拘りも解けたあるとき、精神病棟で適当に思い悩んでいたら、「めいじゅ」繋がりで「命樹」という名前を思い付きました。こちらの方が随分よさそうです。それで、現在は「大坪命樹」としております。

私は、上述のように、統合失調症です。発症当時は、精神分裂病と言っていました。富山で生まれて普通に受験勉強していましたが、高校三年生の秋にまるでわざとのように発症し、なんとか受かった大学が東京の大学だったという理由で、浪人する根性も無く運命にもてあそばれるままに、上京しました。東京では、大学・大学院・会社員・フリーターと遍歴して九年間住んでいましたが、なかなかうまく生活することが出来ず、錦を飾ること無く逃げ帰るように故郷に舞い戻りました。

その後、紆余曲折がありましたが、仏様に助けられたか、精神障碍者としては珍しく、結婚することが出来ました。それも、若いときから長大編小説を書いている藍崎万里子さんとです。彼女は妻としても小説家としても尊敬できる優しい女性です。優しさが一番人間には必要なのではないかと、最近思うようになりました。

文学賞には数多く応募してきましたが、なかなか相手にされないので、最近は投稿熱が冷めつつあります。芸術の意味を考えつつ、名声には拘わらずに、創作する毎日です。

現在は、同人誌「空華」にて、作品を発表するかたわら、小説本をアマゾンやネット・ショップで販売しております。一人でも多くの方々に、僕の小説を読んで戴きたく、頑張っております。

たぶん、なかなか僕の小説は、日の目をみることはありませんが、数少ない理解者はできると思っております。少なくても、真の理解者を得られれば良いと思っております。